eスポーツという言葉、近年になって一気に浸透しました。
昔からゲームの大会はあったわけですが、
言い方を変えて賞金を多く出すことでここまで浸透するものなのですね。
昨今の小学生に聞く将来なりたい職業で「eスポーツプレイヤー」が出てくるほどの過熱っぷりです。
それはいいんですが、露骨なブームは犠牲がつきものなので
ゲームそのものが理不尽な叩かれ方がしないかは心配ですね…。
(スポーツは体を動かすものだ論、香川のようなゲームは一日一時間条例など
開発者としては娯楽として提供しているわけで過剰な方向に行くことは避けたい所です。)
eSportsプレイヤーを目指すあなたへ
前置きはいいとして、
eスポーツプレイヤーになるということは将来プロになることを目指すと思います。
プロとは何をもってプロとするのか。
プロということはお金をもらって活動することになります。
お金をもらうということは、果たさなければいけない事柄が出来てしまいます。
ということは好きでやっていたことが、徐々に義務になるということです。
好きでやっていたものが強制してやることになったとして、果たして続けられるでしょうか。
ゲーム開発者として思うこと
個人的にはeスポーツは歓迎ですし、プレイヤー人口が増えることは望ましいと思います。
ただ、気になるのは
と浅はかなモチベーションで取り組んでいる人たちです。
ゲーム専門学校にも何となく楽しそうだからゲーム作りたい。みたいな人もいるわけですが、
その比ではないくらい、何となく楽しそうだからやりたい系の人が多いように思います。
eスポーツの世界は、
他の業界よりもよりハードな上に将来性が見えないことを覚悟して臨んだ方がいいです。
(まだゲーム実況でお金を儲ける方が現実的です。)
理由をざっと書いていきます。
eスポーツのプロとして最後まで成し遂げた人がいない
eスポーツの最先端を行っている梅原大吾さんですら、年齢は39歳。
ここから50歳を超えたときにどうなっているのか誰も分からないのです。
年齢が増せば、おのずと反射神経は鈍っていきます。
プロスポーツ選手であれば現役時代(20~30前半)で大金を稼いで隠居することもできるかもしれません。
ですが、ゲームの賞金はスポーツと比べればそこまで多くはありませんし、スポンサーからの資金も同じです。
ということは40歳以降でもお金を稼ぐ必要が出てきます。
そこまでの未来を考えてプロプレイヤーを目指しているでしょうか?
ある程度の年齢になったプロの多くは開発者側へと道を変更することが多いです。
プロとして培った知識は開発のノウハウとしてとても役に立ち重宝されます。
今は開発者になる未来以外の選択肢は中々ないですが、
もしかしたら10年後20年後には違う道もできているかもしれませんね。
とはいえ、何もない道なのでプロになる場合それを模索する必要があるわけです。
ゲームは開発の都合で変えられる
プロになるということは、
そのゲームに対してのノウハウを持って鍛えていく必要があります。
ですが、
ゲームはスポーツと違ってゲーム開発者がいくらでも
キャラクターの性能、ゲームデザインを変更できてしまいます。
そのためノウハウとしてため込んだものが消えてしまうリスクもあるのです。
2D格闘ゲームだったのに、最新作は3D!とかありえるわけです。
その覚悟を持ったうえで、何を学ぶべきか、
何を鍛えるべきかを考えられるのであればプロを目指せばよいと思います。
じゃあ何も意味がないかと言えば、そんなことはないです。
ゲームにも普遍的に変わらない部分があるはずです。
反射神経の速さ、相手プレイヤーのくせを読んで立ち回るスキル、システムを理解する能力など…。
そのタイトルに固執せずに使える力をつけておくことをお勧めします。
覚悟を持ってプロを目指せるか?
プロになるということはリスクしかありません。
将来どうなるのか道はないのです。
自らプロゲーマーとはこうやって生きていく仕事というものを築かなければいけません。
でも、むしろ道がないからこそやりがいはあるはず。
その覚悟がある人は全力でプロゲーマーを目指してよいでしょう。
覚悟がないのであれば、他の仕事をしながら
プレイヤーとして楽しむ程度で納めておくことをお勧めします。
本来ゲームは楽しむためのものです。
娯楽なんです。
将来どう暮らしていくのかを考えながら娯楽は楽しんでください。
(こんな未来にならないように…。)